「入門React」感想

内容が入門じゃなかった。

Reactを知らない状態から手取り足取りで教えてくれることを期待して読んだけど、
早い段階からいきなりライフサイクルメソッドなど細かい話に入っていく。
そのため読んでいる間にいまいち全体像が捉え難いように感じた。
初めてReactに触る人用というよりは、既にReactの入門を済ませた人に
本格的に利用する上でのライブラリ特有の注意点や思想を詳しく教える実践的な本といったところ。

ただし日本語版のみの付録として巻末に開発環境の構築について書かれており、
ここでReactのダウンロードやディレクトリー構成の例、JSXの読み込み方などについて詳細に記述されている。
このお陰で最初の敷居が相当に下がっており、痒い所に手の届く素晴らしい配慮に感じられた。
全体の訳文もこなれていて、意味の取りづらいような所も無く非常に読みやすい。

全体の流れとしては最初にサンプルアプリのURLが紹介されて、
テーマごとに複雑な所はサンプルアプリの例を交えて解説されている。
自分はサンプルを動かさずに最後まで読んでしまったが、
最初にサンプルを動かしてみた方が理解はしやすいと思われる。

個別の内容としてはチューニングやテストの章が面白かった。
チューニングはプロファイリング方法などが紹介されている。
テストはReactを用いてモックやスタブを行う際の注意点やライブラリーの紹介、
サーバーサイドやE2Eテストについて最初の一歩が紹介されているため、
実際にアプリケーションを構築する際の参考として有用そう。

入門 React ―コンポーネントベースのWebフロントエンド開発
Frankie Bagnardi Jonathan Beebe Richard Feldman Tom Hallett Simon HØjberg Karl Mikkelsen
オライリージャパン
売り上げランキング: 3,895